世界経済が減速する中、バングラデシュ経済が繁栄する理由

世界経済が減速する中、バングラデシュ経済が繁栄する理由

アジア経済が停滞している。中国経済の成長の鈍化は、近隣諸国を巻き込み始めた。アジアのサプライチェーンは、特に技術面での弱点を抱えており、需要の増加に伸び悩んでいる。
近隣諸国の輸出産業がスランプに陥る中、バングラデシュは過去最高の輸出高(月別)を記録した。

ブルームバーグの報告書によると、南アジア諸国の輸出総額は2015年12月の時点で32億ドルだった。一方世界銀行は、バングラデシュ経済は最も急成長している経済の一つであり、同国のGDP成長率は2016年に6.7%に達するだあろうと予測している。
急成長の秘密は何だろう。それは同国の月別輸出高のうち実に26億7千万ドル、83%以上の割合を占める、安価な衣料品へのグローバル規模の需要である。

バングラデシュは現在、中国に次ぐ世界第2位の衣料品輸出国だ。生産された衣料品の大半が欧州連合(EU)とアメリカへ輸出され、同国の経済を支えている。バングラデシュからの衣料品の輸入量は、特にアメリカで増加を続けており、2015年11月は前年の同じ月に比べて約16%増加した。またバングラデシュの製造業におけるトップ顧客、H&Mも、成長を続けている。バングラデシュの輸出部門において、衣料品は常に大きなシェアを持ち続けており、昨年は約81.7%に達した。衣料品業界の成長は、バングラデシュ経済の成長そのものなのだ。

バングラデシュの衣服品メーカーは、2013年に発生したラナ・プラザ工場の崩壊事故の影響から、立ち直りつつあるように見えるが、倫理的な課題は今なお残っている。進出側にとって、製造工場の賃金が低いことは大きな魅力である。一方、多くの工場は充分な安全性を備えているとは言いがたい。もし労働者が不平が漏らせば、彼らには不当な扱いが待っている。

専門家はまた、「国が輸出を多様化する必要があり、それを進展させたいと真剣に考えているなら、エレクトロニクスなどのよりハイエンドの製品にバリューチェーンを移行する必要がある」と指摘する。

バングラデシュの成長に台頭する国の一つは、ベトナムかもしれない。近年大幅な賃金上昇の見られる中国に代わって、格安衣料の製造が可能な国を求めるアパレルブランドにとって、ベトナムもまた最高のロケーションとなっている。たとえ昨年までの数年間は最も低い輸出成長率であっても、今年はまったく違うかもしれない。環太平洋パートナーシップの大きな貿易協定が結ばれた場合、ベトナムは、特に米国ブランドにとっては、調達のためのさらに魅力的なスポットになる可能性がある。ベトナム政府のとある役員は、「この協定は、ベトナムのフットウェア輸出を20%ほど後押しするだろう」と語る。

一方でバングラデシュは、更なる成長を促すため、衣服産業の助成事業を継続して行っている。国は2021年まで衣服の輸出高を二倍にする予定だ。

カテゴリ記事