テイ・エス テック、アダムジーEZPに参入

テイ・エス テック、アダムジーEZPに参入

自動車用シート及び内装部品の製造大手テイ・エス テック(株)は先月、バングラデシュでトリムカバーを製造する新会社を設立すると発表した。四輪車用シート部品のコスト競争力の向上と、トリムカバーのグローバル補完基地の確立が目的。

新会社の商号は、テイ・エス テック・バングラデシュ(TS TECH BANGLADESH)。同社の100%出資で、首都ダッカ郊外アダムジーEPZ*に設立する。既に11月にバングラデシュ会社法人の設立を行っており、工場稼働のための準備は2016年から取りかかる。同年4月には製品の主要コンポーネントを組み立てる最新機器をバングラデシュに設置し、9月から本格的な稼動を開始する予定だ。

テイ・エス テックは、1960年創業。本拠地は埼玉県で、車・バイク用の座席の生産供給を年間で4万〜4万5千台ほど行う、世界トップ10に入るシート部品製造会社。世界13ヶ国に進出拠点を持っており、アジアではすでに中国とインド、タイ、インドネシア、フィリピンに拠点を置いている。

同社専務取締役であり、アジア・欧州事業総括の由井 好明(ゆい よしあき)氏は、ファイナンシャル・エクスプレスの独占インタビューに応じ、今回の海外進出の目的、ターゲット、将来の投資計画を語った。
「2014年5月のハシナ首相の訪日にあわせて、BEPZAとジェトロの間で日本人投資家のためのEPZ内事業計画のMOU(覚書)が交わされました。その結果、弊社は自動車部門での初期投資を行うため、BEPZAとリース契約を締結しました。我々の会社のネットワークを利用して、グローバルなサプライチェーン事業とバングラデシュを結びつけるための大きなチャンスと捉えています。バングラデシュは国内に自動車産業を有していませんが、このセクタは隣接するインドにおいては、すでに発展を遂げています。ですから我々は、高い品質の製品を輸出し、グローバルなサプライチェーンでバングラデシュと連携することができるのです」
由井氏はまた、年間30万台のシートの生産を計画しており、あわせてバングラデシュ国内で、500人あまりの雇用を行うつもりであると述べた。

今後の事業計画については、「バングラデシュの経済は着実に成長し、人口ボーナスの恩恵と、計り知れない可能性を秘めている」と述べた。
「我々はビジネスを通じ、バングラデシュ人と彼らをとりまく環境、事業の一層の拡大に繋がる沢山の事柄を学ぶことができるでしょう」1.6億人の人口ベースを誇る、低賃金・競争力のある労働者、日バの良好な友好関係──。バングラデシュ進出を決めた主な理由として、由井氏はこの2点を挙げた。未だないに等しいバングラデシュの国内自動車産業マーケットを発展させ、政府が利益を得るには、インフラ開発は焦眉の課題だ。国のイメージアップを促し、また投資・貿易・産業の次なる候補地として、バングラデシュに注目している日本人投資家たちの投資を奨励するためにも、テイ・エス テックの投資は重要な意味を持つ。同社の資本金は47億円で、発行済み株式総数は6800万株。年間売上高の約90パーセントを自動車メーカーホンダの座席コンポーネントが占め、残りは、スズキおよび他の自動車内部トリムや、内部のコンポーネントである。

*アダムジーEPZ(アダムジー輸出加工区)……ダッカーナラヤンガンジ間、ナラヤンガンジ・ハイウェイに隣接。進出企業67社のうち、日系企業は3社が進出中(丸久、Yokohama Labels and Printings (BD)Ltd、斎藤撚糸)。

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